マーケティングコラム

ドライブスルーで売上が変わる – 車社会の生活者に選ばれるために

群馬県にはドライブスルー店舗が多い。ご存じのとおり、群馬県は自家用車の世帯あたり普及台数が全国的に見てもトップクラスを誇る。財団法人自動車検査登録情報協会の調べによると、群馬県における自家用車の世帯あたり普及台数は1.676台。福井県の1.749台、富山県の1.719台に次いで全国第3位にランクインしている。全国平均の1.086台、そして全国最下位である東京都の0.497台から見るとかなり大きな数字であることがわかる。

1世帯に約1.7台。それほど多いとは思えないかもしれないが、山間部の老齢世帯を除けば実態は変わってくる。両親と子ども2人の家庭で、お父さんがまだ定年退職しておらず、子どもが18歳以上で同居となれば、1家庭に4台もの自家用車が並ぶのは至極当たり前のことだ。

さてドライブスルーといえば、マクドナルドに代表されるファストフード店を想像される人も多いと思うが、群馬県内にはさまざまなドライブスルーが存在する。マクドナルドやモスバーガーは当たり前、牛丼のすき家や松屋もドライブスルーを併設している店舗が多い。クリーニング店や質屋もドライブスルーだ。なんとスターバックスのドライブスルーまである。

上の写真は、群馬県高崎市の県道27号線、通称高駒線沿いにある「築地銀だこ」のドライブスルー店舗の様子だ。日曜日の夜に立ち寄ってみたが、ドライブスルーにはかなりの台数の車が並んでいた。群馬県内の銀だこ店舗は商業施設のインショップとして、またスーパーマーケットの敷地内に店舗を構えていることが多いが、たこ焼きだけを購入するためだけに駐車場に車を止めて買いに行く、というのは結構面倒である。「ついで買い」ではない「目的買い」のお客にとっては大変ありがたいスタイルだ。このように、車社会における郊外型店舗には業種を問わず「ドライブスルー」が無くてはならない存在となっている。

では、なぜドライブスルーを併設するのか。車での移動に慣れた生活者からすると、「車から降りずに済む」というのは大変便利なものだ。都心部で生活している人からすると信じられないかもしれないが、東京・横浜で10年以上生活していた私でさえ地元群馬に戻って数年経つと、同じようなものを買うのであればやはりドライブスルーを、という考え方になってしまう。たしかに、車から降りずに用事を済ませることが出来れば時間も手間も省略でき大変効率的だ。暑い日や雨天など天候がよくない時はなおさら便利で、また女性にとっては深夜帯でも安心して利用することができる、というメリットもある。

一方で、事業者側の都合もある。車社会の群馬県、ひとり1台での車移動が当たり前となっている。平日のランチタイム時、郊外型の飲食店の駐車場は満車に近いものの、店内を見渡すと客数はそれほどでもない、といった現象に出くわす。都心に比べれば安価に物件取得できるとはいえ、用意できる駐車場の台数には限りがある。駐車場が満車、もしくは遠くに止めなくてはいけないとしたら、商機を逸してしまう可能性もあるのだ。敷地規模や経路設計にもよるが、ドライブスルーであれば10台以上の車(来店客)を次々に応対することが可能となる。当然、敷地内の滞在時間も短縮できるので、回転率も高くなる。

今後、どのようなドライブスルーが出現するのか。他県にはATM(現金自動預け払い機)のドライブスルーもあるようだ。個人的には、仕事柄印鑑証明書や住民票を取得することが多いので、行政サービスのドライブスルー提供に期待したい。宅配便の発送や引き取りもドライブスルーが利用できたら便利かもしれない。

競合店舗との差別化に行き詰まっているのなら、あなたのお店にもドライブスルーの併設を検討してみてはいかがだろうか。

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